行田タワーに行こう ここは蓮をみるための施設です!

行田タワー アイキャッチ

どうも、田んぼアートを見るためだけに作られた頭のおかしいタワーです。

「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」 面白かったですね。劇中で行田タワーが出てきて、

「そういや、行田タワーの存在自体は知っていたのに、行くのを忘れてた」

と思い、行ってきました。

目次

行田タワーに行くオススメ時期

オススメな時期はズバリ、蓮の開花時期である6月中旬~8月上旬です。

「なんで、タワーに行くのに蓮って関係ないじゃん」って思ったそこのあなた。

実は「行田タワー」って最近まで正式名称ではなかったのは知ってましたか。

毎日新聞 映画「翔んで埼玉」に登場した「行田タワー」 市が正式名称に決定」https://x.gd/Mqy11

記事を要約すると、これまでタワーに正式名称はなく「古代蓮の里」にある古代蓮会館のタワーとなっていました。

冒頭の「翔んで埼玉」の劇中に「行田タワー」の名前として登場したことにより、知名度向上のために行田市は正式に「行田タワー」と命名を決めました。

なので、行田タワーは単体の施設ではなく、「古代蓮の里」がメインでそこの敷地内にタワーが建っているイメージです。

案内図
古代蓮の里 案内板

案内板をみてわかる通りほとんどが池。

ここは田んぼアートをみるだけのタワーではなく、10万株の蓮をみるためのところです。(←ここ大事)

なので、蓮の開花時期(6月中旬~8月上旬)に行くのがオススメ。この時期であれば、田んぼアートの稲が育って見頃を迎えているので、一石二鳥でオススメです。

特に蓮の花は、午前7~9時に開いて、午後には閉じてしまうので蓮をメインに行くのであれば、午前中が特にオススメです。

蓮の花
撮影日時 2024年7月14日15時30分 午後でも全く咲いていないわけではない

ただ、午後でも写真のように全く開いてないわけではないので、こだわりがなければ午後でも大丈夫です。

写真では伝わりにくいですが、

蓮ってでけぇ

栽培環境によりますが、花径の大きさは大輪で26cm以上になるそうです。

ここにある蓮は栽培環境が良いのか、大きすぎてビックリしました。

写真では大きさを表現しきれないので、ぜひ現地に足を運んで自分の目で確かめてみてください。

圧巻!! 田んぼアート

田んぼアートをみるためだけに建てられたタワー(らしい)にもちろん行きました。

タワーのある古代蓮会館の入館料は400円で、タワーに上がるのに追加料金はかかりません。

それでは田んぼアートをご覧あれ。

田んぼアート
2024年 田んぼアート

今年(2024年)は能登半島地震の復興支援の田んぼアートでした。稲だけでここまで表現できるのかと感動しました。

ここも写真だけでは伝わりにくいので、自分の目で確かめてみてください。

2023年 田んぼアート
2023年 田んぼアート 反射はご勘弁を

1階には歴代の田んぼアートの写真が掲載されています。

年々、クオリティーが上がっていく様子がみられておもしろいです。

アートに使う稲

アートに使う稲の種類を調べてみたところ、色ごとに使い分けられており、以下の4種類。

緑…彩のかがやき(埼玉県奨励品種)
白…ゆきあそび
赤…べにあそび
黒…ムラサキ905

引用:行田市HP 「田んぼアートのご案内」https://x.gd/or51E

特に黒い部分の「ムラサキ905」が気になっていたので、さらに調べたところ、埼玉県農林総合研究センターで作出された観賞用の稲とのこと。

観賞用の稲つまりは、田んぼアートのために作られた稲。

アートのため可食部を捨てて稲を作ってしまう埼玉の科学力はすごい。

そして、一般的な稲(緑色)には、埼玉ブランド米の「彩のかがやき」が使われています。

埼玉にブランド米「彩のかがやき」についてはまたどこかで記事にしようかと思います。

ココにある蓮は42種10万株あんねん

まず、蓮に42種類もあるのは知らなかったです。

ここに来るまで、「蓮って、レンコンに咲く花でしょ」ってくらいの認識でしたからw

世界の蓮園
世界の蓮園の案内板 写真を取り忘れたがあと22種類ある

世界の蓮園に40種類、水生植物園に1種類、メイン行田蓮で計42種類の蓮が古代蓮の里でみられます。

会館内部
古代蓮会館(行田タワー)1階 展示コーナー
蓮の実の寿命が長いのはなぜ?
クイズ形式で蓮について学べるコーナー 答えは現地で確認してみてください。

古代蓮の里(行田タワー)の1階には蓮と行田の地理について学べる展示があって楽しめます。

田んぼアートを見に来たつもりが、蓮について知ることが出来ました。次は午前中に行って開花の様子をみたいと思いました。

古代蓮会館(行田タワー)への行き方

古代蓮会館(行田タワー)に行くには車がオススメ。

周りにいくつか観光スポットがあるので、効率的に移動できる車がオススメです。

マイカーがなければ、熊谷駅周辺に主要なレンタカー屋が揃っているので、そこからの移動がオススメです。

ただし、開花時期の5:30~16:00は古代蓮会館の駐車場が有料500円になるので、そこは注意です。

車以外では、JR高崎線 行田駅から循環バスを使う手もありますが、1時間毎の運行なのでオススメ出来ません。

一応、リンクを掲載しますので参考にまで。行田駅から「観光拠点循環コース」に乗って「古代蓮の里」で下車して行けます。

行田市 市内循環バスHP https://x.gd/uja9i

ところで古代蓮ってなに

ここからは、突っ込んだ話になりますので興味のある方は是非。

先程から、「古代蓮」とありますが、どんな特徴があるのか気になったら、看板に書いてありました。

行田蓮の説明
行田蓮の説明

花弁数が13~18枚で一重咲種であるものが原始的な形をしている蓮のようです。

蓮にもコシヒカリ系統みたいに交配の過程があって、この時代から「現代蓮」とかがあるのかと思い調べましたが、そうゆう訳ではなさそう。

生物はさっぱりでよくわからんですが、「古代蓮」という種類の蓮があるという方が、今の自分は理解しやすいです。

それより気になるのは「昭和46年の公共施設工事の際」のところです。

「まちアト」チェック 「小針クリーンセンター」編

昭和46年(1971年)と言えば、大阪万博の翌年で、カップヌードルが発売した年です。

そんな中で着工したのが、「行田、吹上ごみ焼却場(現:小針クリーンセンター)」。

蓮が発見されたのは着工から2年後の1973年5月15日とのことですが、着工前~当時(1970年代)~現在 の様子を航空写真で振り返ってみましょう。

各年代の航空写真比較
着工前から現在までの航空写真 国土地理院撮影の空中写真(1972年・1975年・2015年撮影)を加工して作成

現在は、最終処分場として池は埋まっていますが、1975年頃は焼却施設の周囲に池があり、このどこかで「古代蓮」が発見されたということになります。

2015年の航空写真をみると、施設と道路が拡張されているのがわかります。あと何気に2015年当時の田んぼアートも確認できます。

ちなみに2015年の田んぼアートは田んぼアート面積のギネス記録に認定されています。

「まちアト」チェック 「古代蓮の里」編

どうせなら、古代蓮の里の航空写真をチェック。

オープンしたのは平成13年(2001年)なので、発見された蓮たちはどのように保管されて、古代蓮の里に移植したのかは気になるところですが、施工前と現在の航空写真をチェック。

古代蓮の里 航空写真比較
古代蓮の里 施工前と現在の航空写真 国土地理院撮影の空中写真(1990年・2015年撮影)を加工して作成

元々、田園であったところに里が出来ました。

さすが、田んぼアートをみるためだけに建てられたことはある(失礼)。

この辺は加須低地であることもあって、田園地域であることがわかります。

「古代蓮」が古代の種である証拠は?

「古代とは文明の成立から古代文明の崩壊までの時代を指す」とwikiに書いてありました。

日本における古代は諸説ありますが、少なくとも3~12世紀の間であるようです。

古代蓮の発見と年代調査について以下の看板にまとめられていました。

行田蓮 説明案内版
行田蓮の説明

「古代」の種である理由を簡単にまとめてみると。

  ・既存の古代蓮である「大賀蓮」を参考にすると2500~3000年前であることを推定

  ・原始的な形をしている

  ・蓮の実と出土した木片の年代測定の結果、1390年±65年前

この3つから概ね1400~3000年前のものと推定されています。

既存種と木片の年代測定から割り出していますが、埋設されていたものと言えば、地層からある程度の年代を追えるのではないのかと思い、調べてみました。

地層から年代を測定するには、火山灰や化石を含む地層の存在がカギとなります。その地層と鍵層と言いますが、周辺に鍵層があるのかを調べたら、

1976年に行田市小針遺跡の調査が行われており、2つの火山灰層が発見されています。

  ・深度20cmで1783年の浅間山噴火による火山灰の地層

  ・深度95cmで1108年の同じく浅間山噴火による火山灰の地層

どこからの深度は不明でしたが、もし地表から深度20cmだったら、すでにそこら中で見つかっているハズなので、そこよりは深いことは想定されます。

わざわざ掘削工事をするということは、1m以上は掘っていると思うので、少なくとも1108年より前であることは確からしいです。

地層からは1108年より前であることはわかるので、看板に書いてある通り、概ね1400~3000年前のものであるのは地層からみても間違ってはいないということがわかりました。

まとめ

・行田タワーは田んぼアートをみるだけの施設ではなく、蓮をみるための施設だった

・蓮と田んぼアートの両方を最大楽しみたいなら、蓮の開花時期(6月中旬~8月上旬)の午前中に行くのがオススメ

・公共交通機関は不便なので、車がオススメ

・行田蓮(古代蓮)は古代から蘇った蓮である

参考資料

・毎日新聞,2024,「映画「翔んで埼玉」に登場した「行田タワー」 市が正式名称に決定」

(2024年9月15日取得,https://x.gd/Mqy11)

・行田市,2024,行田市HP,「田んぼアートのご案内」

(2024年9月15日取得,https://x.gd/or51E)

・GKZ 植物事典,GKZ 植物事典HP

(2024年9月15日取得,https://x.gd/MBNpeo)

・堀口万吉,1981,「関東平野中央部における 歴史時代の沈降運動と低地の形成」(1981,アーバンクボタ No19)

目次