前編では、万博の予約やパビリオン抽選の仕組み、そして当日を快適に過ごすための持ち物などについて紹介しました。
万全な準備をして現地に向かい、「ここが良かった!」「こんな体験ができた!」と報告するつもりだったのですが…正直なところ、筆者は万博を十分に楽しめませんでした。
その様子を、簡単にまとめるとこんな感じです──
パビリオン抽選を全て外して、行きたかったパビリオンを1カ所見て退散とは とんだ腰抜けじゃのう
日頃の行いがこれじゃァ……それも仕方ねェか………!!
・・・
“謎天”、所詮は……大阪・関西万博の“敗北者”じゃけェ……!!!
取り消せよ今の言葉…!!!

どうも、AIイラスト敗北者です
そして、敗北者の末路はこんな感じです。


焼きそばとビール まさか万博でヤケ酒をするとは…
普段はイライラして酒を飲むことはないのですが、この日ばかりは「飲まなきゃやってられん!」という気分になって、焼きそばとビールでヤケ酒を決め込みました。
この記事では、「なぜ楽しめなかったのか」「どんな人は万博に行かない方がいいのか」を振り返りながら、後悔しないための心構えや注意点をお届けします。
結論 こんな人は万博に行かない方がいい?
前編でも触れましたが、ここで“結論”です。 筆者のように後悔したくない方は、以下のいずれかに当てはまるなら、万博の来場を再検討してみるのも一つです。
・パビリオンの中身より「何個回れるか」を重視(効率重視)してしまう人
・長時間並ぶのが苦手な人
・当日予約に期待する人
これらに該当する方は、戦略より「覚悟と割り切り」が求められるイベントであることを、あらかじめ知っておいて損はありません。
なぜ楽しめなかったのか(結論の理由)
前編のとおり準備はしました。しかし、「賢く立ち回ろう」としすぎた結果、計画が崩れたときの柔軟性を失ってしまい、楽しむ余裕がなくなってしまいました。
そもそも、現地に向かう前から嫌な予感はしていました。


7日前抽選結果 平日の金曜で全て外すとは思わなかった
1週間前抽選では、すべて落選。東ゲートからの入場を前提に、近くのパソナパビリオンを第1・第2希望に設定し、応募が少なそうな昼の時間帯(12~13時)を狙いましたが、まさかの全滅。
さらに空き枠の先着予約も、うっかり日付を間違えてアクセスし、取れずじまい。行く前から流れが悪い予感がしていました。
当初の想定スケジュールはこうでした
①東口入場
②パソナパビリオンへ直行
③お土産購入
④当日予約センターでパビリオンを1つ確保
⑤時間に余裕のあるパビリオンを巡回
⑥予約済パビリオンへ
⑦最後にアメリカ館へ
しかし、現実はまったく違いました。
まず、平日にもかかわらず、どのパビリオンも待ち時間1時間超が当たり前。私が訪れた5月23日は、万博開園以来の最多来場者数だったのです。GW明けの平日を狙って「空いているだろう」と踏んだのですが、大きく予想を外しました。
【速報】万博の1日の来場者数が「過去最多」23日の来場者は約13万9000人 ついに開幕日を超える 一方で2820万人想定のペースは下回る(※5月24日 MBS NEWS)
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f09b2177ce82c3ea4454b4dbd215be782603d26
5月23日の来場者数について、関係者を含め約15万7000人と発表しました。関係者を除く、一般来場者は約13万9000人で、これまで最多だった開幕日の4月13日を上回り、1日の来場者数としては過去最多となりました。
5月23日までの累計の来場者数は、457万4623人で、一般の来場者数は385万9983人となっています。関係者を含めた来場者数は16日連続で10万人超となっています。 博覧会協会は、10月までの会期中に2820万人の来場を想定していますが、想定の人数に達するには1日平均で約15万人のペースが必要ですが、現状はそれを下回っています。これまで1日で最多の来場者数は開幕日の14万6426人、一般来場者数は12万4339人でした。



コロナ禍明け以降、人の動きが変わっていると感じる今日この頃です
パソナパビリオンは混雑していたので、先に当日予約センターへ。スマホからの当日予約よりセンターの方が優先されると聞いていたので、到着すると行列が出来ていました。
係員から「並んでも予約できない可能性があります」とのアナウンス。
進まない列に並ぶよりはと、スマホでの当日予約に切り替えました。
しかし、この判断は間違っていました。
スマホ予約を粘ってみるも、移動中や並んでいる間に30回以上挑戦して、一度も取れず。


当日予約 期待だけさせるのはやめて欲しい



ここまでダメだと、さすがにムキになってしまいました
そして極めつけは、ガンダムパビリオン。当日17時に当日予約枠が解放されると聞き、ログイン・画面展開まで準備して待機していたのですが…


ガンダムパビリオンで心が折れました



期待させるくらいなら、最初から嘘だといってよ、バーニィ
これが、冒頭で語った「敗北者の末路」につながります。
普段はイライラしても酒には走らない私ですが、この日はさすがに心が折れました。焼きそばとビールでヤケ酒――この瞬間、「もう今日は無理だ」とあきらめがつきました。
現地では他にも混乱の連続でした。
- どの列が何の列なのか(パビリオン?グルメ?物販?)が分からない
- 並んでいても、「今、並んでていいのか?」という不安がよぎる
- 予約できた時にどう動くかを考えすぎて、結果なにも行動できなくなる
そして何より、「並ぶ前提で考える」という発想が欠けていたのが最大の失敗。
一人で来たため、並んでいる間に話す相手もおらず、時間がただ過ぎていくだけで、気持ちも削られていきました。
「並ばない万博」という理想像とあまり混んでいないという情報を信じすぎた結果、実際にはUSJ級の混雑を前提とした行動計画が必要だったと、痛感しました。
混雑を前提とするなら、ここだけは行きたいところを2~3カ所ピックアップして並んで入る。並んでいると、孤独感が増すので、友達と一緒に行くなど行動が大きく変わるので、最初の前提を間違ったことで上手くいきませんでした。
それでもやってよかったこと
失敗が続いた今回の万博訪問でしたが、事前に準備していたことの中には、結果的にとても役立ったものもありました。
・モバイルバッテリーの持参
・手軽に食べられる軽食
・マイボトル(給水所の水はぬるめ)
・暑さ対策の帽子や涼しい服装
・印刷して持参した地図
たとえ会場内を歩き回るだけになったとしても、これらの備えは精神的にも体力的にも大きな支えになりました。特に会場は日陰が少なく、物販やグッズ購入にも時間がかかるため、ちょっとした待ち時間で体力を消耗しがちです。
モバイルバッテリーのおかげで、当日予約によるスマホの電池切れを回避でき、軽食は空腹によるストレスを和らげてくれました。
また、事前に印刷して持参した地図は、スマホのバッテリー節約に加え、現地での位置確認に役立ちました。
準備と万博の予約については、前編をご覧ください。
【前編】こんな人は大阪・関西万博に行かない方がいい?失敗しないための事前準備
まとめ
前編では「準備の大切さ」をお伝えしましたが、後編では「情報に縛られすぎると楽しめない」という、筆者の苦い体験をもとに共有しました。
情報戦略が機能するのは、自分が「何を見たいか」が明確になってからです。 準備の第一歩は、「なにを見たいか」を決めることです。そこから抽選の参加と当日の行動が見えてきます。
これから行く方にお伝えしたいのは、以下の3つです。
①「何個回れるか」より「何を見たいか」を最初に決めておく
② ここだけは行きたい場所を3か所以内に絞り、混雑を受け入れる心構えを
③ 準備に気を取られすぎず、現地の感覚も柔軟に取り入れる
おわりに “攻略”ではなく“体験”の万博へ
この記事では、「準備は万全だったはずなのに楽しめなかった」体験をもとに、「これだけは気をつけたい」視点を紹介してきました。
万博について厳しいことも書きましたが、楽しむためには攻略情報に気を取られずに“ゆとり”が必要だということです。
万博は“攻略”する場所ではなく、“体験”する場所です。
完璧に回ろうとせず、ひとつの場所で感動できたら、それだけで行く価値があります。
この体験談が万博体験を少しでも良いものにする手助けになれば幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。