「ぼっち・ざ・ろっく! 外伝」第6巻41話では、小田原観光と日帰り温泉を楽しむ、ちょっとした小旅行が描かれています。
読んでいるうちに、ふとこんな疑問が浮かびました。

これ、実際にやってみるといくらかかるのだろう?
そこで本記事では、作中の行程をできるだけ再現し、実際に現地を巡ってかかった費用を全て集計しました。本当に作中での予算に収まるのかを検証します。
記事内では、訪問場所をまとめた地図と作中で登場したコマの写真を掲載しています。
※本記事は原作エピソードのネタバレを含みます。
記事内では、これから聖地巡礼に行ってみたい方のために、訪問場所をまとめた地図も掲載しています。加えて作中のコマと合わせるように写真を掲載しています。
※記事内にはアフィリエイトリンクを使用しています。紹介する内容は実体験・調査に基づいています。
あらすじと検証内容
検証内容を整理するため、まずはあらすじを簡単に振り返ってみます。
いつも通り、朝まで飲み明かして廣井きくりが流れ着いた地は小田原。手元に残っていたお金はわずか115円。
困り果てたきくりは、バンドメンバーの志麻に迎えを頼もうと電話をして返ってきた言葉は、
「スカジャンの内ポケットを見ろ」
という一言を残し、無慈悲にも電話を切られてしまう。
内ポケットを確認したところ、お守りが。お守りの中には現金1万円とメモが入っていた。そのメモには、
「廣井(クズ)へ いい加減にしてくださいもうこりごりです。これで勝手になんとかしてください。くれぐれも人様にはご迷惑はおかけしないでください」
日々の酒癖の悪さに耐えかねた辛辣な文言。しかし、きくりはなぜかこれをお小遣いだと勘違いし、突発小田原観光が始まる。
作中でも述べられていますが、帰りの電車賃は1,000円ぐらいとされています。つまり、観光に使える予算は9,000円ということになります。
そこで今回の検証テーマは、
きくりの突発小田原観光は、現実でも9,000円以内で成立するのか?
作中で描かれている主な行程は次の通りです。
①小田原城天守閣の内部見学
②早川漁港で定食とビールを堪能
③かまぼこバーで高級かまぼこと日本酒を堪能
④箱根湯本駅近くの日帰り温泉で、温泉とビールを堪能



①以外は相変わらずお酒を欠かさないきくりさんです
なお、作中通りの順番で再現すると、泥酔状態で温泉に入ることになりかねません。実際に巡る場合は③と④の順番を入れ替えるなど、安全面には十分ご注意ください。
本記事では、各スポットの費用だけでなく、実際に巡って分かった注意点やおすすめポイントもあわせて紹介します。
きくりの小田原観光ルートを地図で整理
作中で描かれている行程を、実際の地図上に整理してみました。
実際に行って再現してみたいという方は、以下の地図を参考にして訪れてみてください。
各スポットの再現検証
作中の行程を実際に再現しながら、各スポットで発生した費用を検証していきます。なお、価格は訪問日時点の実売価格(税込)を基準としています。
①小田原城


小田原観光の定番といえば小田原城。作中でも最初に訪れていたスポットです。小田原駅東口からは天守が見え、徒歩約5~10分ほどで到着します。駅近で交通費は発生しません。
小田原城天守閣の基本情報は以下の通りです。今回は作中と同様、天守閣単独券を購入しました。


写真 小田原城 常設展示室1


写真 小田原城展望台
小田原城は北条氏の本拠地であることは知っていましたが、豊臣秀吉に小田原城を明け渡した後の歴史について知ることが出来ました。



きくりさんには失礼ですが、作中の感想を見る限り、意外としっかり展示をみています
実際にかかった費用は以下の通りです。
・天守閣単独券 510円
累計:510円
残り予算:8,490円
現時点ではまだ余裕があります。むしろ問題はこの後の食事を含めたお酒代になりそうです。
②早川漁港 漁師めし食堂


写真 漁師めし食堂 入口には看板ネコがいました
小田原城から早川漁港までは約1.2km。徒歩で向かうと約20分かかります。
作中では電車に乗車する描写はなく、観光パンフレットを見ながら訪れている様子が描かれていることから、本記事では徒歩移動と判断しました。
実際に歩いてみましたが、距離は約1.2km程度で、電車を使うメリットはあまり感じませんでした。そのため、交通費は発生しない前提で検証を進めます。
漁港自体はそれほど大規模ではありませんが、魚介を扱う売店や飲食店が立ち並び、観光客で賑わっていました。
作中では「漁師めし食堂」に入り、天ぷらと地魚刺身定食とビールを注文していました。
もちろん、私も同じメニューを注文。


天ぷらと地魚刺身定食 めちゃくちゃ旨かった
作中では中ジョッキでしたが、実際には瓶ビールのみの提供でした。
刺身は仕入れ状況で変化するようで、この日はブリ・太刀魚・まぐろの3種類。特にブリは脂がのっていて大変美味しかったです。
「漁師めし食堂」の基本情報と実際にかかった費用は以下の通りです。
・天ぷらと地魚刺身定食 2,310円
・瓶ビール 770円
合計:3,080円
残り予算:5,410円
ここで一気に予算を消費します。この後の観光が続くことを考えると、金銭的余裕はそれほど大きくありません。
③鈴なり市場 かまぼこバー


漁師めし食堂から鈴なり市場までは約2km。徒歩で向かうと約30分かかります。
作中では箱根湯本駅の描写はありますが、鈴なり市場まで電車を利用している様子はないので本記事では徒歩移動と判断しました。
なお、箱根登山鉄道を利用すれば移動時間は短縮できますが、運賃160円が発生します。仮に電車を利用した場合、予算超過の可能性が高まります。
徒歩前提で検証を続けます。
「鈴なり市場」は「鈴廣かまぼこの里」の施設の一部で、営業時間は9時~18時。かまぼこで有名な鈴廣の商品や鈴廣がオススメする商品が並びます。
作中で登場する「かまぼこバー」は鈴なり市場の内部にある飲食店です。
※現金のみ対応なので注意が必要です


作中で登場したお試しセットを注文しました
作中では、やわらかくてキメ細かいかまぼこの旨味に感動し、「キレのある辛口の日本酒が合う!」と述べていました。
作中の感想を見て、「かまぼこにそんな違いがあるの?」と半信半疑でしたが、実際に食べてみると…



練り物の密度が違う
スーパーのかまぼことは明らかに食感が異なり、魚の旨味が凝縮されています。本当に辛口の日本酒とよく合います。
実際にかかった費用は以下の通りです。
・お試しセット 500円
・酒のおかわり 200円
・板前ちんみセット 500円
合計:1,200円
残り予算:4,210円
残りは4,000円台。まだ温泉と箱根湯本への交通費が控えています。
なお、私はこの後、自分用のお土産も購入しましたが、これは検証対象外としています。


これは自分用のお土産なので、作中では登場しません



かまぼこバーで頂いた日本酒も販売していたので、購入しました
④日帰り温泉 かっぱ天国


鈴なり市場から箱根湯本までは遠く、徒歩移動は現実的ではありません。
作中で上記の写真の通りの描写があることから、本記事では電車移動をしたと判断し、交通費を計上します。鈴なり市場から風祭駅まで徒歩で移動し、箱根登山鉄道で箱根湯本駅へ向かいました。
作中では具体的な施設名は明示されていませんが、描写から「かっぱ天国」である可能性が高いと判断し、訪問しました。


かっぱ天国の入口と道中 一昔前のノスタルジックな雰囲気を味わうことが出来ます
かっぱ天国の基本情報
注意点として、
・シャワーは露天風呂内のみ(特に寒い日は注意)
・現金のみ対応
・施設は年季がはいっている
いわゆるスーパー銭湯とは性質が異なるため、その点は理解して訪れる必要があります。



個人的には、このノスタルジックさはむしろ好み


作中では温泉後にビールとつまみを楽しむ様子が描かれています。ちょうどこれに対応するのは、「湯上りの一杯セット」。私も同じセットで楽しむことが出来ました。
作中で「下着とかタオルはどっかで買えばいいし」と発言しているのと、タオルを首に巻いている様子が描かれているので、ここでフェイスタオルを購入したものとして考えます。
実際にかかった費用は以下の通りです。
・電車賃(風祭駅→箱根湯本駅) 160円
・湯上りの一杯セット 1,500円
・フェイスタオル 200円
合計:1,860円
残り予算:2,350円
数字だけ見るとまだ余裕があるように見えます。しかし、まだ無視できない出費があります。
その点も含め、最終的に9,000円以内に収まるのかを次章で検証します。
検証結果
これまでに計上していない費用を整理します。
作中では日帰り温泉後にお土産を購入する描写があります。ここで志麻へのお土産として小田原城マグネットを購入したと仮定します。


小田原城マグネット 私は小田原城の売店で購入しました
作中で登場したような小田原城マグネットが実際にあったので、私も購入しました。金額は550円でした。
作中では「帰りの電車賃は1,000円程度」とされています。ただしこれは小田原駅時点での話と考えられるため、
箱根湯本→小田原間の電車賃360円は別途計上します。
作中では「下着とかタオルはどっかで買えばいいし」という発言があります。
タオルはかっぱ天国で購入しましたが、下着については購入場所の描写がありませんので、想定になります。
一応、きくりはレディではあるので、上下とも購入したと仮定して以下に想定金額を載せます。
・コンビニで購入 約2,000~2,500円
・衣料量販店で格安購入 約1,000~1,500円
コンビニ価格で計算すると、予算を超過する可能性が高くなります。
今回は、きくりの金銭状況を踏まえ、格安量販店で上下1,500円と仮定しました。
まとめると以下の通りです。
志麻へのお土産(小田原城マグネット)550円
電車賃(箱根湯本駅→小田原駅)360円
下着 1,500円
合計:2,410円
これまでにかかった費用を総額すると、、
【総合計】9,060円 となりました。
9,000円を若干オーバーしているじゃんと思うかもしれませんが、きくりの手元にはもともと115円の残金がありました。したがって、総予算は実質9,115円。
最終的な残額をまとめると、以下の通りです。
表 総額一覧
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 小田原城 | 510円 |
| 漁師めし食堂 | 3,080円 |
| かまぼこバー | 1,200円 |
| かっぱ天国(電車賃含む) | 1,860円 |
| お土産 | 550円 |
| 電車賃(箱根湯本→小田原) | 360円 |
| 下着 | 1,500円 |
| 合計 | 9,060円 |
| 手持ち残金 | 115円 |
| 最終残高 | 55円 |
ということで、最終的な残高は、、
55円
という結果になりました。
作中では、志麻から「全部酒や遊びに使ったのか?」と問い詰められるシーンがありますが、これは文字通りの結果ということになりました。志麻がめちゃくちゃ怒るのも無理はないです。
きくりの突発小田原観光は、無駄遣いをせず、最安選択をすれば、ほぼ使い切る形で成立するということがわかりました。
しかし一歩でも判断を誤れば、即予算オーバー。まさに
“酒クズの綱渡り観光”
ということがわかりました。
原作を読むとさらに面白い
今回の検証は、「ぼっち・ざ・ろっく! 外伝」第6巻41話をもとに再現しました。
実際に歩き、金額を一つずつ積み上げてみると、作中の「9,000円」という設定がいかに絶妙かが分かります。わずか数十円の差で成立する、非常にリアルな金額感でした。
外伝は本編とは異なり、コマ割りが自由で1話完結型の構成。テンポもよく読みやすい一冊です。廣井きくりの相変わらずの“酒クズ”ぶりも健在で、その点も含めて楽しめる一冊です。
検証結果を踏まえて読み直すと、また違った視点で楽しめるはずです。
まだ読んでいない方は、ぜひ原作をチェックしてみてください。
実際に巡った感想
当初は「9,000円あれば余裕だろう」と考えていました。
しかし実際に再現してみると、想像以上にギリギリ。
下着の購入方法や移動手段を少し誤るだけで簡単に予算を超えてしまう、非常に絶妙な金額設定でした。
作者のくみちょうさんも実際に現地を取材された上で描いているのだとすれば、この金額感覚はかなり現実に近いものだと思います。
また、徒歩移動を前提とすると、小田原から早川、さらに風祭方面までの移動はそれなりの距離になります。
お酒を挟みながらの観光という点も含め、時間的にも体力的にもなかなかハードな一日でした。
とはいえ、ブログの検証企画がなければ、元神奈川県民でありながら鈴廣のかまぼこをじっくり味わう機会はなかったです。
作品をきっかけに、普段なら訪れない場所に足を運び、実際に歩き、食べ、体験してみることが出来ました。
聖地巡礼でありながら、現実との照合を楽しむ一日になりました。
ぼっち・ざ・ろっく関連では、金沢八景の聖地巡礼も行っています。こちらはアニメ第6話の舞台を中心に巡った記事です。本編エピソードということもあり、ご存じの方も多いかもしれません。作中シーンの再現だけでなく、金沢八景という土地の歴史や背景まで掘り下げています。
また、同じCloverWorks制作の『その着せ替え人形は恋をする』の聖地巡礼記事も公開しています。こちらは池袋や岩槻など、実在の街と作品を照合する内容です。
作品をきっかけに街を歩く楽しさに興味があれば、あわせてご覧ください。




